最近、50代の間で「結婚はしたくないけれど、心安らぐパートナーは欲しい」という声が増えています。
人生100年時代と言われる今、50代は「第二の人生」が本格的に始まる年代です。子育てが一段落し、仕事や生活もある程度落ち着いてくると「これからどう生きるか」「誰と、どんな時間を過ごすか」を考え始める人は少なくありません。独身であればなおさら「この先一緒に過ごすパートナー」が頭に浮かぶでしょう。
一方で、こんな気持ちも同時に抱えていませんか。
「今さら結婚となると、正直面倒」
「自由な時間や生活リズムは守りたい」
「自分の財産は自分で管理したい」
「とはいえひとりは寂しい。話し相手や支え合える存在は欲しい」
この相反する本音こそが、今の50代独身のリアルです。
このコラムでは、そんな50代の独身世代に向けて法律婚だけにこだわらない「パートナーシップ」という考え方と、無理のない出会い方について具体的に解説していきます。
Q.なぜ50代になると、結婚相手ではなくパートナーを求める人が増えるのでしょうか。
A. 50代の独身は離婚経験者も多く、過去の結婚や人生経験を重ねた上での現実的な判断と言えるでしょう。
20代~30代の場合、法律婚を考える割合が97%(こども家庭庁「若者のライフデザイン調査(2024)」。その一方でミドルシニア層になると法律婚以外を理想とする割合が約43%(オーネット「独身中高年の恋愛結婚意識調査(2021)」)となり、パートナーに対する考え方の違いが明確になっています。
なぜ50代は結婚を選ばないのか?背景にある心理とは
50代が「パートナーは欲しいけれど、結婚はしたくない」と考えるのには明確な理由があります。
- ・子どもへの配慮: 成人した子どもの感情や、将来の財産相続トラブルを避けたい 。
- ・自由の確保: 長年築いてきた生活リズムや趣味の時間を守りたい 。
- ・経済的自立: 自分の資産は自分で管理し、相手の扶養義務に縛られたくない
背景にある心理をそれぞれ詳しく解説していきます。
成人した子どもの存在と心理的配慮
50代での再婚を考えるうえで、大きなハードルとなるのが成人した子どもの存在です。子どもが自立していても、親の再婚となると話は別。年齢に関係なく、複雑な感情を抱くケースは珍しくありません。
感情的な受け入れの難しさ
子どもにとって、親の再婚相手は突然現れた「知らないおじさん」「知らないおばさん」です。理屈では理解できても、家族の輪に他人が入ることにどうしても抵抗を感じてしまう。これは自然な反応とも言えます。
財産承継の複雑化
法律婚をすると、新しい配偶者にも相続権が発生します。その結果、財産や実家の承継順位が複雑になり、子どもの反感を買ったり気苦労をかける可能性があります。「子どもに迷惑はかけたくない」という思いから、籍を入れない人は少なくありません。
経済的な自立と自由の確保
50代になると、多くの人がある程度の経済的自立をしています。結婚に伴う責任や制約に「今さら」と負担に感じてしまうのも無理はありません。
- ・財産分与が煩わしい:自分で築いてきた資産や貯蓄を、万一の際に分け合うことへの不安。
- ・扶養義務が発生する:相手の老後や病気に対して、経済面を含めた責任を負うことへの戸惑い。
- ・生活スタイルが変わる:長年続けてきた生活リズムや趣味の時間を崩したくないという本音。
子どもの自立と第二の人生の意識
子育てを終えて時間ができると「これからは自分のために生きたい」との思いが強まります。とはいえ、結婚することはパートナーを優先する生活。自由を手にしたい気持ちと相反してしまうのです。
過去の結婚経験からの学び
離婚を経験している人ほど「大切なのは形式より中身」という価値観になります。戸籍上の夫婦よりも、気を遣わずに本音で話せる存在。精神的に対等で、無理のない関係こそが理想だと感じるようになります。
50代に最適な「入籍しない」パートナーシップの形8選
結婚(法律婚)というひとつの形に縛られなくなった今、50代の価値観に合った多様なパートナーシップが選択できるようになりました。
- ・事実婚:婚姻届を出さずに共同生活を送る形。名字を変えたくないが、夫婦並みの保障が欲しい方向け 。
- ・共生婚:恋愛感情抜きで、生活の安定を目的とした関係。信頼できる同居人を求める方向け 。
- ・パートナーシップ婚:自治体の証明制度を活用。緊急時の入院同意などで家族として扱われたい方向け 。
- ・別居婚:お互いの住まいは別々。個人の生活リズムや自宅を何より大切にしたい方向け 。
- ・週末婚:週末だけ共に過ごす。仕事と交流のメリハリをつけたい方向け 。
- ・通い婚:介護などの事情で同居はできないが、精神的な支えが欲しい方向け 。
- ・終活婚:人生の最終章を支え合い、看取りや死後を託す深い信頼を求める方向け 。
- ・友情婚:性的関係を持たず、親友のような安心感をベースに家族を築きたい方向け 。
1.シンシアリーユアーズで選べる8つの「結婚のかたち」
「結婚はしたくないけれど、パートナーは欲しい」。
そんな50代のニーズに応えるため、例えばマッチングサービス「シンシアリーユアーズ」では、一般的な法律婚だけでなく、考え方や距離感の異なる複数の関係性から、自分に合った形を選べるようになっています。下記でひとつずつ解説していきます。
事実婚(内縁関係)
婚姻届を出さずに事実上の夫婦として共同生活を送る形式です。一般的には3年程度の同居実績があると法的にも夫婦として認められやすくなります。「名字を変えたくない」けれど、生活や経済面では夫婦並みの強い保障(扶養や年金)が欲しい人向け。
注意点:相続権がないため、遺言書の作成が必須です。
共生婚
恋愛感情や男女の関係はなく、生活の利便性や精神的安定を目的としたルームシェア的な契約です。恋愛に疲れを感じている人や、セクシャルマイノリティの方。「気を遣わない、信頼できる同居人」が欲しい人に向いています。
注意点:お互い自立していることが前提。家事や生活費用の「ドライなルール作り」が成功の鍵。
パートナーシップ婚(制度利用)
事実婚とは異なり、宣誓したその日から「パートナー」として自治体からの証明が得られます。法律婚はしたくないけれど、緊急時の入院・手術の同意などで家族として扱われたい人向け。
注意点:異性カップルが対象外の自治体もあるためまずは確認を。法的な相続権はありません。
別居婚
入籍・事実婚を問わず、お互いの住まいは別々とする形。50代まで築いた生活リズムの確保や、日々の暮らしは愛着のある自宅で過ごしたい「究極の個人主義」派向けです。
注意点:住まいに関わるコストが二軒分かかるため、経済的なゆとりが必要です。
週末婚
平日はそれぞれの自分の家で過ごし、週末だけは一緒に過ごす形です。平日は仕事に没頭し、休日はパートナーと過ごしてリフレッシュしたいメリハリ重視の人向け。
注意点:お互いの自立度や距離感が一致していないと、どちらかが寂しさを感じて破綻の原因になります。
通い婚
同居せず、どちらかの家に行き来して時間を共にする形。転勤や親の介護などの事情でやむを得ず家を離れられないけれど、精神的な支えとしてパートナーが欲しい人向け。
注意点:単なる交際とパートナーシップの線引きが曖昧になりがち。将来のビジョンを共有しておくこと。
終活婚
人生の最終章を共に過ごし、看取りや死後の手続きまでを支え合う目的の結婚。老後の孤独を解消し、お互いの人生の幕引きを託せる、深い信頼で結ばれた同志を求めている人向けです。
注意点:子供への相続トラブルが起きやすいため、事前に家族への説明や法的な整理が不可欠です。
2. 感情を基盤とした新たな選択肢
友情婚(アライアンス婚)
恋愛感情や性的関係を持たず、お互いの価値観やライフスタイルの合意に基づいて「友情」を土台に結ばれる形です。セクシャルマイノリティの方はもちろん、そうでない場合も「恋愛感情よりも親友のような信頼と安心感」をベースにした家庭を築きたい人向け。
注意点:共生婚よりも家族としての絆を重視します。価値観のズレが致命傷になるので事前の徹底した話し合いが不可欠です。
3. 婚姻関係を維持しつつ距離をとる選択肢
卒婚
法的な婚姻関係は維持したまま、お互いが妻・夫という役割から卒業し、干渉なく自由に自分の人生を歩みます。長年連れ添った夫婦が、離婚という形をとらずに「お互いを尊重しつつ、別々に好きなことをしたい」場合。
注意点:法律上の夫婦であるため、相続や扶養の義務が残ります。生活費の分担や介護が必要になった際のルールを明確に。また、新しい恋を望むなら「お互いの恋愛を干渉しない」など公正証書を作成しておきましょう。
50代が後悔しないために。事実婚やパートナーシップを長続きさせる3つのルール

結婚という形式を選ばないからこそ、関係を長く、心地よく続けていくためには、「なんとなく」ではなく、形式に頼らない明確なルールとお互いの理解が欠かせません。
- ・対等な関係性の徹底:家事分担やひとりの時間の尊重など、どちらかが我慢しない距離感を話し合う 。
- ・金銭面の明確化:生活費の管理や、将来の医療・介護費をどこまで支え合うかを事前に決める 。
- ・行政・法的制度の活用:公正証書による契約や任意後見契約を結び、事実婚の証拠力や安心感を高める 。
対等な関係性の徹底
まず大前提として「どちらかが上」「どちらかが我慢する」とならないようにする必要があります。
たとえば家事。
一緒に過ごす空間があるなら、どちらかが負担するのではなく、その都度無理のない分担を話し合うことが大切です。
時間についても同様です。
いつも一緒にいることを求めず、お互いの予定や趣味、ひとりの時間を尊重する。この距離感を忘れないことが大人のパートナーシップを長続きさせます。
Q&Aサービス・OKWAVEの40代以上会員を対象とした「マッチングアプリに関するアンケート」(有効回答数202件)でも、理想の関係として挙げられているのは「お互いの価値観や人生経験を尊重し合い、安心して会話ができる落ち着いた交流」。やはりキーワードは「尊重」です。
金銭感覚の共有と明確化
結婚(法律婚)しない以上、夫婦としての公的な扶助はありません。
話し合いをしにくいことかもしれませんが、お金の話は避けず、最初にきちんと決めておく必要があります。
例えば、生活費は共有口座で管理をするのか。
旅行や外食などはその都度精算するのか。個人の貯蓄やローンについては、どこまで関与しないのか。
さらに、老後の医療費や介護費についても「どこまで支え合うのか」を元気なうちに話し合っておくことが重要です。
曖昧なままにしておくと、いざという時に関係が崩れてしまいかねません。
老後の「支え合い」に関する話し合い
実はこれこそ50代がパートナーを求める最大の理由の一つです。
病気や介護が必要になったとき、誰が、どこまで、どんな形で関わるのか。
気が重い話題ではありますが、元気なうちに言葉にし、できれば文書にしておくことで、大きな安心につながります。
OKWAVEのアンケートには、こんな声もありました。
「とにかく一緒に居て楽で、楽しくて、あっという間に時間が過ぎていくような人が居てくれるのがいいかな…。男と女とかの面倒くさい奴は、もう興味ないから。」(50代男性)
50代がパートナーに求めているのは形式ではなく「一緒にいて楽で、信頼できること」。お互いにそれだけの関係を築けるかどうかが、大人のパートナーシップのゴールです。
行政制度の活用と契約によるパートナーシップの裏付け
法律婚ではないパートナーシップを、公的にも、そして現実的にも安心して続けるために、行政制度や契約を上手に活用することは非常に有効です。結婚とは異なる、形式に頼らないパートナーシップを選ぶとはいえ、利用できる制度はうまく活用しましょう。
自治体のパートナーシップ制度の活用
愛知県の「あいちファミリーシップ制度」のように、パートナーシップを宣誓し、行政が証明書を発行する制度は全国に広がっています。
証明書があることで、公営住宅の申し込みや、病院での面会・手術同意がスムーズになる可能性があります。
同性カップル向けの制度という印象が強いですが、事実婚にも対象が広がりつつあります。千葉県袖ケ浦市や君津市、愛媛県松山市などで導入済です。
公正証書による契約の作成
「事実婚契約書」として、相互扶助の範囲、財産分与の考え方、解消時のルールなどを公正証書にしておくことで、高い法的証拠力を持たせることができます。
賃貸契約や金融機関とのやり取りで、関係の真剣度を示す材料にもなります。
任意後見契約
特に50代以降のパートナーシップでは重要です。
認知症などで判断能力が低下した場合に備え、パートナーが財産管理や医療の意思決定を行えるよう、任意後見契約を公証役場で結んでおくことは、最大の安心材料になります。
子どもへの配慮を話し合う
自分の人生を大切にすることと、成人した子どもとの関係を大切にすることは、どちらも欠かせません。
まず、「結婚ではない」という点をきちんと伝えましょう。
「再婚ではない。あなたの親を支えてくれる、人生の伴侶だ」と説明することで、子どもの心理的な抵抗感は和らぎやすくなります。
あわせて、財産相続についても改めて確認しておくことが大切です。
法律婚ではないため子どもの相続権に影響はありませんが、事実をきちんと伝えておくと安心感につながります。
理想のパートナーに出会うための具体的なステップ

「マッチングアプリを使わず自然な出会いを待ちたい」。
そんな風に考えるミドルシニアは多いようです。実際、OKWAVEのアンケートでも「自然な出会いを待つ」と答えた人は圧倒的な多さでした。
現実的に考えると、50代が日常生活で運命的な出会いができるのはかなり稀。だからこそ、待つだけでなく、自分で「選びに行く」「探しに行く」行動も大切になります。
自分の価値観を再定義する
まずは、自分自身がどうしたいのかをじっくり考えてみましょう。求めているのは「結婚(法律婚)」なのか、それとも「パートナーシップ」なのか。
「面倒くさいことには、関わりたくない」
「形式よりも、気楽さや安心感を大事にしたい」
といった正直な気持ちを、否定する必要はありません。
「結婚の縛りはいらない」という自分の信念を持って出会いの場に臨むことが、ミスマッチを防ぐ第一歩になります。
価値観が明確な50代向け「シンシアリーユアーズ」の活用
対等なパートナーシップを求める50代にとって、効率的で安全なのが最初から価値観を共有できるマッチングサービスを活用することです。
40代・50代・60代向けのマッチングアプリ「シンシアリーユアーズ」は、まさに50代のニーズに対応した設計になっています。
「理想とする結婚のかたち」を選べる
従来のアプリのように「結婚するかしないか」だけでなく、「週末婚」「事実婚」「共生婚」「パートナーシップ婚」など、自分が望む関係性をプロフィール上で選択できます。
ミスマッチを最初から防げる
法律婚を前提とした相手とすれ違う心配がありません。価値観が一致した相手と、落ち着いた関係を築けます。やりとりが続いて仲良くなった後にミスマッチに気付くということもなく安心です。
大人のコミュニティ
ミドルシニア世代の利用者が多く、恋愛や結婚を急かされる雰囲気はありません。お互いのペースや人生経験を尊重し合える、穏やかな交流が期待できます。
50代からのマッチングアプリは「手っ取り早い出会いの道具」ではありません。
価値観の通じる相手と、無理なく出会うための場として活用するのが正解です。人生の折り返しを過ぎたとはいえ、まだまだ先は長いもの。焦らず、ゆっくり構えているほうが、自分にマッチした相手と巡り合えます。
出会いの場で「結婚は求めていない」と伝える重要性
マッチングアプリや出会いの場では、自分の結婚観を正直に伝えましょう。それは相手への誠意であり、同時に出会いを探す時間の節約にもなります。
「結婚をするつもりはありませんが、人生を一緒に楽しめるパートナーを探しています」と伝えるだけで、価値観を理解し、尊重してくれる相手が残ります。
50代のパートナーシップは自分の価値観で築ける
50代の独身が求めているのは、世間体や形式に縛られた関係ではありません 。これは、先ほどご紹介したアンケート結果にも表れている通りです 。大切なのは、心地よさや安心感、そして「尊重」と「対等」を土台にした大人のパートナーシップなのです 。
令和の今、法律婚だけが幸せの形ではありません 。 結婚という枠にとらわれず、「この人と一緒にいると、人生が楽しくなる」と感じられる関係を築くことができれば、それはひとつの完成形と言えるでしょう 。
もし、自分と同じ価値観を持つ相手を探すなら、自然な出会いを待つよりもマッチングアプリなどを有効活用するのが現実的です 。ミドルシニア世代のアプリ利用者想像以上に増えています 。
「自分らしい幸せ」を手に入れるために、まずは一歩、気軽に踏み出してみてはいかがでしょうか。
